北極圏のバーボー観察基地。
2049年2月
「その」出来事の3週間後。
基地の食堂でひとり食事をとる男。
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過去の回想。
人々が北極から逃げていく。
先ほどの男は脱出ヘリに乗るよう求められる。彼は透析を必要とする病気の末期患者だが、ここが家だと言って残る。
脱出のヘリを待つ列の中、キャサリンと呼ばれる女性は娘を探している。アナという女性が、その娘はドクターリグとともにすでに発ったと伝える。
全員がヘリで飛び立った後、一人残った男、オーガスティンは基地へ帰っていく。
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ひとり基地に残ったオーガスティンはスローテンポのロックを聴きながら、酒を飲んだり、基地をさまよったりしている。病室で、機械を使って透析をする。
若いころのオーガスティンは銀河の別の太陽系惑星には生命体がいる可能性があると講義している。木星の月であるK-23には生命が存在できる環境があると説明している。
講義の後、講義の内容に強い興味を抱いたという女性と話す。
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彼女の名はジーンとと言い、ジーンとオーガスティンは、席をともにして、研究について親しく話す。
それから、オーガスティンは夢から覚める。
目を覚ましたオーガスティンは、基地からまだ起動している宇宙船を探し、イーサーを見つけ出す。
オーガスティンは北極の観測基地からイーサーに通信を呼びかける。
K-23で研究をしている途中だった女性研究者、サリーがアラームの音を聞く。
サリーは、駆け出すが、ロケットに置いていかれる。
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という夢を見る。
宇宙船イーサーにてクルーたちはそれぞれの日課にいそしんでいる。
アドウォール船長、マヤ、サンチェス、ミッチェルのもとを通り過ぎ、サリーは日課の通信を行う。
しかし、地球からの応答はなく、サリーは不審に思い、他のクルーたちも集まってくる。
一方、北極基地のオーガスティンは食事をとっているときに、入れた覚えのない食事を見つけ、不審に思う。
再び、地球の様子をモニターするが、キッチンで勝手に火事が起こる。
火を消し、へたり込むと少女が机の下に隠れていた。
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オーガスティンは通信設備で、少女が取り残されており、家族に迎えに来てほしいと呼びかけるが、応答はない。
寝台で寝る少女に自分は力になれないと伝える。
それから、食事を作ってあげる。
オーガスティンは少女がしゃべれないことに気付く。
少女はノートにアイリスの花(アヤメ)を描き、彼女の名がアイリスだと分かる。
そのとき、アナウンスが鳴り、オーガスティンは急いで、通信設備へ戻り、イーサーとコンタクトを取ろうとする。
オーガスティンは、彼らは地球に帰れないのだと伝えようとしているとアイリスに言う。通信はつながらない。
アイリスは勝手にオーガスティンの部屋で寝ようとする。
向かいの部屋で寝るよう促す。
しかし、オーガスティンが、横になっている間に戻ってきてしまう。
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オーガスティンは、基地のアンテナの向きを調整し、食事をとる。
グリーンピースが嫌いなアイリスは皿から机に移す。
オーガスティンも真似をして、グリーンピースを皿から机に移す。
ふたりは机の上のグリーンピースを打ち合って遊ぶ。
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ふたりは、すこし打ち解ける。
一方、宇宙船イーサーでは、サリーがあらゆる交信を試みるも失敗している。
ミッチェルは心配しはじめており、マヤとサンチェスは通信システムの起動、再起動を12時間ずっと行っている。
イーサーのクルーはみな帰還を信じているが、不安は残る。
北極基地の病室で透析をしているオーガスティンのもとにアイリスがやってくる。
病室の、寝台を見上げると宇宙がのぞける。
オーガスティンはアイリスに、北極星が道を見つけるために最も重要な星だという。
回想の中、オーガスティンは、ジーンと恋人になるが、研究に没頭するあまり、不仲になっている。
ジーンはオーガスティンに、あなたは宇宙に生命を探すことで人々に希望をもたらそうとしているが、その間に、あなた自身の人生はすりぬけていっているのだと語る。
北極基地で、オーガスティンは呼吸器をつけて、鳴き声が聞こえる外に出る。するとたくさんの鳥たちが死んでいる。
オーガスティンは、アイリスとともに、よりよい通信環境を得るため、別のアンテナ基地、レイク・ヘイゼンへ移動することを計画する。
ふたりとも、呼吸器をつけ、スノーモービルに乗る。
宇宙船イーサーでは、家族のホログラムの中にいるマヤがサンチェスに自分の家族の説明をする。サンチェスは微笑みながら話を聞く。
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サリーとアドウォールはトランプをしている。
そのときアラームが鳴り、ふたりは持ち場へと駆け出す。
イーサーは当初のコースを外れていた。
K-23に残したビーコンをたよりに進路を修正しようとする。
しかし、地図の存在しない未知の軌道を通ることになってしまう。
一方、北極ではレイク・ヘイゼンへ向かう途中、雪原の真ん中のテントで、アイリスとオーガスティンのふたりが休んでいる。
夜が明けて、墜落した飛行機を発見する。
オーガスティンは機内で生存者を発見する。
アイリスは機内に入るが追い出される。
生存者の願いを聞いて、オーガスティンは銃で彼を殺す。
回想の中、研究の同僚でもあるオーガスティンの元恋人ジーンは、娘を連れている。父の発作で故郷のイギリスにいたのだと言う。
ジーンは、オーガスティンに娘に自己紹介しないのかと尋ねるが、オーガスティンは黙って微笑むだけだった。オーガスティンは車の中の娘に会わず、ふたりはそのまま別れる。
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宇宙船イーサーでは、サリーがアドウォールとの間に女の子を妊娠したことがわかる。
クルー一同は喜ぶ。
北極の雪原の中、丈夫な建物をみつけ、入るオーガスティンとアイリス。
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建物の中、くつろぐ二人。
オーガスティンが目を覚ますと建物が水浸しになっていた。
氷河が割れて、建物が海に沈むところ、間一髪で脱出する。
しかし、脱出のさなか、オーガスティンは透析装置を海の底に失ってしまう。
オーガスティンは絶望するが、アイリスとともに、レイク・ヘイゼンを目指す。
すさまじい風が吹く氷の大地を進むふたり。
さらには、いつの間にか狼に囲まれる。
銃で威嚇するも、すさまじい吹雪の中、オーガスティンはアイリスを見失ってしまう。
雪原に倒れるオーガスティン。陽が射し、恋人ジーンの姿をみたかと思えば、アイリスだった。
厳しい旅路の果てにふたりはようやく目的地のレイク・ヘイゼンの天気アンテナ基地まで到着する。
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一方、イーサーで、ミッチェルと会話するアドウォール。ミッチェルは娘を妊娠したことを聞いて、自分の母の名はヒアシンスだったという。
サリーはオーガスティンからの通信を受け取る。
オーガスティンは通信の悪い不明瞭な会話から地球に起きたことを説明しようとするが、そのとき、イーサーではアラームが鳴る。
イーサーは小岩石群地帯に入ってしまっていた。
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からくも脱出するが、通信能力とレーダーを失っていた。
損傷チェックをするミッチェルとアドウォール船長。通信システムが最も損害を被っていた。
クルーは修理に奔走する。
修理中、サンチェスは娘の名は、キャロラインはどうだと勧める。
アドウォールとマヤとサリーが船外作業をすることになる。
出発前、船外作業経験のないマヤは盛大に吐く。
ミッチェルとサンチェスは、モニターで様子をみながら、ひやかしている。
船外に出る三人、宇宙の景色に心奪われるマヤ。
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通信システムへ移動するマヤたち。
作業を行うアドウォール、マヤ、サリー。
サンチェスはニール・ダイアモンドの曲、スウィート・キャロラインを流す。
修理は完了するも、サリーたちが外に出ている間に、再び小岩石群の中に入ってしまう。
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なんとか、全員無事で小岩石群を抜け出す。修理した各部も損傷を免れる。
船内へ向かう三人。マヤも悪態をつきながら、戻ろうとするが、自分が血を流していることに気付き、助けを求める。
エアロック内の扉が開けるまで時間があり、一同はいらだつ。
解除され、メディカルキットを持ったサンチェスが向かう。
サリーがマヤのヘルメットを外すと大量の血があふれ出てきた。
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サンチェスは、マヤの出血を止めようとキットを押し当てるが出血は止まらず、サリーは、マヤに息をつづけるよう呼びかけるが、マヤは意識を失っていく。
マヤを失ったサリーは悲しみを抑えつつ、再び、レイク・ヘイゼンに呼びかけ始める。
北極では、透析をできなくなったオーガスティンが、どんどん弱っている。
アイリスは心配そうに見守っている。
宇宙船イーサーでは、クルー一同が悲しみにくれている。
その最中、地球をとらえたミッチェルは変わり果てた姿の地球をみつける。
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イーサーからの通信をとらえるオーガスティン。
オーガスティンは、地球に降下できる安全地帯はないと伝え、生き残りはすべて地下にいる。それも、一時的に生き延びれるだけだと伝える。
イーサーのクルーたちは集まる。
アドウォールやサリーたちはK-23に帰ることを考えるが、ミッチェルは反対する。
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北極では、オーガスティンが弱っているところに再びイーサーから通信が入る。
アドウォールは、なぜオーガスティンがイーサーのフライトプランにこれほど詳しかったのか尋ねる。
オーガスティンは自分はオーガスティン・ロフトハウスだと名乗る。
アドウォールは著名なロフトハウス博士に一度会いたかったと伝え、再度、本当に降りれる場所はないのかと尋ねるが、オーガスティンはないと答える。
ミッチェルは家族が残したメッセージを通信で受け取る。
それは、もう、会うことはできないと伝える内容だった。
ミッチェルとアドウォールはふたりで話す。ミッチェルは再突入シャトルのひとつで、ひとりで家族のもとへ帰るとアドウォールを説得する。
ミッチェルのもとに来たサンチェスは一緒に地球へ行くという。
彼は、4歳で亡くなった娘とマヤを重ねており、マヤを地球へ帰してやりたいのだと話す。
ミッチェルも同意する。
アドウォール、サリーのふたりと別れるサンチェスとミッチェル。
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オーガスティンはサリーとアドウォールから通信を受ける。アドウォールは、自分とサリーのふたりはK-23へ帰ること、サンチェスとミッチェルは地球への帰還を選んだことを伝える。
オーガスティンはサンチェスとミッチェルには地球に家族がいたのかと尋ね、サリーがそうだと答えると納得する。
マヤというクルーが死んだことを伝え、オーガスティンは悲しみを共有する。
サリーは、オーガスティンが研究で成し遂げたことを改めて伝える。そして、彼女がオーガスティンの元同僚ジーン・サルヴァンの娘で(サリーはオーガスティンの実の娘)、ジーンに渡した月の石がこのプロジェクトに参加するモチベーションになったことを教える。
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そして、オーガスティンに、サリーは自分はアイリス(サリー・アイリス・サルヴァン)だという。
オーガスティンはわかっているよと言って、涙を流す。(オーガスティンと旅を共にしてきた幼いアイリスは彼の生きるモチベーションを保つための幻覚だった。)
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K-23の様子を尋ねるオーガスティン。サリーはそこは、コロラドのようで、風は目が覚めるようで、マツが隠れているような匂いがし、陽の光はオレンジで、木星が近くに感じ、触れるようだという。そして、こんなに美しい場所は他にはないという。
オーガスティンは幻想のアイリスとともに、美しい景色を夢見る。
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そして、通信は途切れる。
イーサーに残ったサリーとアドウォールのふたりは手を握る。
ふたりは、再び、K-23に戻るための作業をはじめる。
作業がひと段落し、ふたりはそれぞれ、去っていく。
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○映画評価サイトなどをのぞくとあまり評価は高くないですが、個人的にはおもしろかったです。船外作業の様子を丁寧に描いていたり、宇宙船の姿も魅力的でした。
全体に物悲しいトーンですが、次々事件が起こるので飽きない展開でした。幻想の少女アイリスが何者なのか、実際にいるのかいないのか、設定をしらなかったのでそこはすこし分かりづらかったです。
ヨチーヌ(774)として、youtube上などで音楽を発表する活動などしています。
ストリングスを主に使った曲を書いてます。よかったらどうぞ!